ζ(゚ー゚*ζゾンビ少女とハンターコンビのようです

1 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:41:31










       ミセ*゚ー゚)リ  1  (<●><●> )









         .

2 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:42:23


真夜中の住宅街を、一人の男が走っていた。

(;'A`)「はぁ、はぁ……!!」

貧層な姿の、ぼろぼろの服を纏った男。
息を切らせながら走るその姿は、どこか”崩れてしまいそう”に見える。

(;'A`)「ハァ、ハァ……」

男はまだ作られて間もない、格安の駐車場に駆け込んだ。
現在、真夜中の一時。
その時間でもなお、光を放っている自動販売機に、男はもたれかかった。

(;'A`)「ハァ、ハァ……」

暗闇の中から、足音が近づいてくる。

(;'A`)「く、っ……」

3 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:43:19

近づいてくる足音は二つ。
一つは、重い靴で地面を踏みしめる、軍人のような規則正しい足音。
もう一つは、まるではしゃいだ子どもがスキップしているような、はずんだ足音。

( <●><●>)

自動販売機の明りに、重い足音の主が照らし出される。
足音の主は、15、6歳の少年。
小さな身長に、えらく大きな目が特徴的で、首にはなぜかヘッドホンを引っかけていた。
服装は上が分厚いジャージで、下がえらくダブダブとしたパンツ。
そして、その下に履いているのは、軍人が履いていそうな、ごつごつとしたブーツ。
少年が男に向けて何かを話そうとしたとき、暗闇の中から、やたらと楽しそうな声が響いた。

「アンハッピーだねっ!」

(;'A`)て !!?

ミセ*^ー^)リ〜♪

鼻歌を歌いながら、
軽やかなステップを踏んで現れたのは、これまたジャージ姿の少女。
こちらは下にひどく短いデニムのパンツを履いていて、
へそとふとももの部分が丸出しになっている。
耳には、少年のものとおそろいなのだろう。
ハートの柄がプリントされた、黄色いヘッドホンが装着されていた。

ミセ*゚ー^)リ<おっちゃんってば、あたしらに出会っちゃうなんて、超アンハッピー!
       朝の占いはチェックしてるぅ? たぶん今日はおっちゃんの星座最下位だねっ!

4 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:44:09

男を指をさした少女はけらけらと笑い、
その場で軽やかに、たんったんたた、たんっ、とステップを踏んだ。

(;'A`)「クソッ、『機関』の人間か!」

震えながら言う男に、少女はにこりと笑って手に持った『それ』を男に向けた。

ミセ*^ー^)リ<いぐざくとりぃー☆

(;゚A゚) !?

笑顔の少女が両手に持っているのは、華奢な身体に似合わぬ巨大な散弾銃。
黒くごつごつとしたそれの銃床部分には、十字架の意匠があしらわれており、
統制の取れたそれの存在が、かえって銃の持つ禍々しさを引きたてていた。

笑顔の少女が引き金を引き、そして、ぱちん、という小さな音と共に銃弾が放たれる。
銃弾に少量しか火薬を用いない非殺傷性の散弾。しかし、その威力は絶大である。

ミセ*^ー^)リ

ミセ*゚ー゚)リ

ミセ*゚ -゚)リ<あるぇ?

かすかに煙をあげ続けている散弾銃。
しかしその銃口の先に、先ほどまでいたはずの男の姿は見えない。

( <—><—>)<……逃げられたのはわかってます

小柄な少年がため息を吐きながら、手に持っていた、少女のものより小さい散弾銃で肩を叩いた。

5 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:45:34


ミセ#*>皿<)リ キィ!!ー<へ? ええええ!? うそうそ!
            これからがあたしらの『はちゃめちゃタイム』じゃん!
            何逃げてくれちゃってんの、あのおっさん! 戦えよ!!

よく分からない叫び声をあげながら、その場でじたばたとステップを踏む少女。
背の小さな少年は、その姿を呆れたように見ている。

(;<●><—>)<ミセリ、きみは勝ち目のないほど強い相手に出くわしたとき、どうします?

ミセ*^ー゚)リ ケロッ<ぇー、あたしとワカに勝てない相手なんかいるわけないじゃーん☆

くるり、とターンして少女はワカと呼んだ少年にウインクをする。
一瞬前の怒りはどこへやら、そんな少女の姿に対し、少年は再びため息を吐いた。

( <—><—>)=3<……もし、いたとしたら、です

ミセ;*゚Д゚)リ<えー、何自信無くしてんのワカ!? なんかあったの?
        あ、もしかしてお腹痛いとか!?

(;<—><—>)<それは僕がきみに対して言いたいセリフだということだということは分かってます

なんかもう、どうでもいいか、と、少年は話題を変えることにした。

( <●><●>)<あの男、おそらくなんらかの”能力持ち”ですね

ミセ;*゚Д゚)リ<うぇ!? あのおっちゃん、むっちゃ弱そうだったよ!?

(;<—><—>)<見た目と能力が関係ないことくらい分かってます

6 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:46:34

「とは言え」と、少年は続ける。

( <●><●>)<……「弱い」というのは、あながち間違いではないでしょうね。
        あの男の特殊能力は、おそらく戦闘に向いたものではない。
        だから、僕たちとは戦わず、逃げるという選択をした……
        ふむ、ミセリ、次に彼に会ったときは、僕が相手をします。

言いながら、少年は片手に持った小型散弾銃をくるりと回す。

ミセ*> -<)リ<<えー何それ何それー! ワカだけ大活躍!? ずっるーい!!

片手で大型の獲物をぶんぶん、と振りまわす少女。
少年は冷静に答える。

( <●><●>)<きみが相手をしても、逃げられるだけなのは分かってます。
        奇襲や闇討ちは僕の得意分野、いいですね?

ミセ*゚ -゚)リ<むー……

( <●><●>)<もちろんきみにも出番はありますよ?

ミセ*゚ー゚)リ<え!? まじ? それってまじ?

( <●><●>)<ええ、大マジです

ミセ*゚ー゚)リ+☆<あげ↑あげ↑にできる? はっちゃめちゃにしちゃっていい!?

(;<—><●>)<節度を守って、ですよ?

ミセ*^ー^)リノ<はいはーい!! ワカッテマス、なんちて!!

7 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:47:28

この目の大きな少年と、やたらとテンションの高い少女。
表向きは、私立美府高校の生徒ということになっているこの二人は、
ある大きな組織の構成員である。

( <—><●>)

目の大きな少年は、ワカッテマス。

ミセ*^ー^)リ〜♪

たんっ、たんっ、と軽快なステップを踏む少女はミセリ。

「アンハッピーリフレイン」という奇妙なチーム名を持つ二人組。
彼らの所属する組織の名は、『カノッサ機関』。





———ずっと昔から世界を裏から支配し続けている、恐るべき『システム』である。




      .

8 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:48:23



「……………あ……………う……………」



「あう………あああ………」



ボコッ



ζ(。q゚::::ζ



ζ(。q゚::::ζ「…う?あ…うう…?」


      .

9 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:49:51

('A`)「…やれやれ。今日は色んなことが巻き起こる日だな」

ζ(。q゚::::ζ「?」

('A`)「今度から外に出る時は、星座占い見てからにしよう。うん」

ζ(。q゚::::ζ「あう、う…う…」

('A`)「怖がらなくていい。力を抜け」

( 'A`)つ゚::::ζ ズボッ

ζ(。q゚:::;ζ「う”!う”う”!」

('A`)「はいはいじっとしろ。すぐ終わる」

ζ(。q゚:::;ζ「げ…」

ζ(。q゚:::;ζ「ゲホッ、ゲホッ!急に何するんですか!」

('A`)「うし、喋れるようになったな」

ζ(。q゚:::;ζ「あ、ほんとだ…」

('A`)「喉に詰まってた泥を吐き出させた。まだちょっと残ってると思うが、まぁ気にすんな」

10 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:50:43






('A`)「どうせもう、『死んでる』んだからよ」




         .

12 名前:名も無きAAのようです []:2012/05/26(土) 22:53:33










       ('A`)  1  ζ(゚ー゚*ζ









         .

11 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:52:03

ζ(。q゚::::ζ「死ん…え?」

('A`)「しっかし汚いな顔。目玉も一個出ちまってるし、よだれもすげーし」

ζ(。q゚:::;ζ「うわあ!どうりで右目の視界がおかしいと思った!」

('A`)「押し込んでやるからじっとしろ」

( 'A`)つ。q゚::::ζ グイグイ

ζ(゚q゚:::;ζ「うう…なんか右目がざらざらする…」

('A`)「顔も拭く必要があるな。なんか紙、あったかなぁ」 ゴソゴソ

('A`)「お」

  [エロ本]
( 'A`)ノ    テッテテーン!

ζ(゚q゚:::;ζ「よりによってそれかよ!!」

('A`)「当然使用済みだ!」

ζ(゚q゚:::;ζ「最悪じゃねーか!!」

('A`)「ほら、使用頻度の低かった熟女のページを使えよ」

ζ(゚q゚:::;ζ「使ったことは使ったんだ…」

13 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:54:37

*結局公園の公衆トイレに行くことにしました

ζ(つーとζ ゴシゴシ

ζ(゚ー゚*ζ「ふー!さっぱりした!」

(;'A`)「お、おお…これは思った以上に掘り出し物だったな…土から出てきただけに」

ζ(゚ー゚*ζ「…えっと…その、土から出てきたことも含めて、色々聞きたいことがあるんですけど…」

('A`)「ああ、いいぜ。どうもあんたは自分の『境遇』をわかってないらしいから教えてやるよ。あんたは」


('A`)「一度死んだんだ」


ζ(゚ー゚*ζ

ζ(゚ー゚*ζ「え?」

('A`)「一度死んだんだ」

ζ(゚ー゚;ζ「二回言われた!」

14 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:55:38

('A`)「気を確かに聞けよ。あんたは『いつ』『どこで』か知らんが、一回死んだ人間なんだ」

('A`)「それが『ゾンビ』として蘇ったのが、今の状態ってわけよ」

ζ(゚ー゚;ζ「ええ…マジですか…」

('A`)「大マジ。かく言う私もゾンビでね」

ζ(゚ー゚*ζ「はぁ…うわ、言われてみればすっごい臭いですね。おじさん」

('A`)「ま、腐ってるし」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、意識したらヤバいわこれ…ほんと臭い…生ゴミ臭がする」

('A`)

ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと離れてもらっていいですか?ていうか離れますね。2メートルぐらい」

('A`)

('A`)「ゾンビも泣くときは泣くぞ」

ζ(;ー;*ζ「うう、臭いが目に来た…泣ける…」

('A`)「これはもしかして星座占いマジで最下位なんじゃないかな?」

15 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:56:40

十分後

('A`)「ちょっとは臭い慣れたか?」

ζ(゚ー゚*ζ「はぁ、少しは」

('A`)「言っとくけどあんたも臭うからな」

ζ(゚ー゚*ζ「またまたご冗談を」 クンクン

ζ(゚д゚;ζ「ってくっせェー!!」

('A`)「な!な!俺だけじゃないだろ臭いの!」

ζ(゚д゚;ζ「トイレの芳香剤みたいな臭いが…」

(;'A`)「何俺の臭いよりランク上にいようとしてんの!?大して変わんねぇよ!?」

ζ(゚ー゚;ζ「うう…これは女子高生としては耐えかねる仕打ちだ…」

('A`)「ああ、やっぱ学生だったのか。そんな格好だとは思ったけど」

ζ(゚ー゚*ζ「はい…って、そういえば自己紹介も何もしてませんでしたね」

ζ(゚ー゚*ζ「私、津野デレっていいます。私立美府高校の二年生で、好きでも嫌いでもないものはもずくです」

('A`)「うん、後半の情報別にいらない」

16 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 22:58:51

('A`)「俺は鬱田ドクオ。おじさんって言ってたがな、これでもまだ二十代だ」

('A`)「そしてゾンビである俺はこれから先老いることはない。よって俺をおじさん呼ばわりすることは許さん」

ζ(゚ー゚*ζ「わかりました、おじさん」

('A`)「君って見た目よりいい性格してるよね〜」

ζ(゚ー゚*ζ「それにしても。なんかこの公園、見たことがあるようなないような…変な感じです」

('A`)「ふむ…あんた、何年生まれだ?」

ζ(゚ー゚*ζ「1990年です」

('A`)「で、高校二年生ってことは…2007年没、ってとこか」

ζ(゚ー゚*ζ「それがどうしたんですか?」

('A`)「今年は2012年。つまり、あんたが死んでからもう五年経ってるってこった。さっきの違和感はそのせいだろ」

ζ(゚ー゚;ζ「ご、五年も…?私、随分長い間死んでたんですね」

('A`)「長いもクソも普通は十年経っても死にっぱなしだけどね?」

17 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 23:00:02

ζ(゚ー゚*ζ「おじさんも…『ゾンビ』、なんですよね?私と同じような状況だったんですか?」

('A`)「いや、俺んときは死んだ三日後に生き返ったからな。タイムラグはほぼなかった。個人差があるんだろ」

ζ(゚ー゚*ζ「へー…」

('A`)「さて、それでだ。あんたには選択肢がいくつかある」

('A`)「一つ。このまま俺とさよならして、一人で孤独にゾンビライフを送る」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、それにします。さよならおじさん」

(:'A`)「ゾンビの話は最後まで聞けよ!ほんとに泣くぞ!」

ζ(゚ー゚*ζ「はぁ…わかりました。じゃあ聞いてあげるのでどうぞ」

('A`)「…二つ。生きるのを諦め、潔く土に還る」

ζ(゚ー゚*ζ「そういうこともできるんですね。試しにやってみてくれませんか?」

(;'A`)「しねぇよ!この短時間で俺のことすっごい嫌いになったね!」

('A`)「三つ。俺と一緒に来て——」

('A`)「仲間たちと、第二の人生を『生きる』」

ζ(゚ー゚*ζ「…第二の、人生…」

18 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 23:01:02





            フロイライン
('A`)「さ、どうする?お嬢さん」





ζ(゚ー゚*ζ「…私は——」





         .

19 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 23:01:45






もう一度、生きてみたい。





         .

20 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/26(土) 23:11:34










       ミセ*゚ー゚)リ  1  (<●><●> )

       To Be Continued……

       ('A`)  1  ζ(゚ー゚*ζ








         .

21 名前:極悪断罪夫婦(略) ◆6ZgdRxmC/6[]:2012/05/26(土) 23:31:12

最初に謝っておく。

ごめん、ミ ス っ た ! ! !>>12

はい、そんなわけで、ブーン系タッグバトル企画でございますよみなさん。
うん、言い訳させて? 相方と二人で話あってたらね、キャラがどんどん増えていってね? 20人以上に膨れ上がっていったのよ、うん。

ξ,;゚Д゚)ξ(これ……短編で扱える人数じゃないよね?)タ(^ω^;ラ

これ長編か中編くらいで書いたほうがいいんでね、と二人で話あった結果、
今回の祭りはこの短い一話を投下することにとどめることになりました。
この場をお借りしまして、参加者ギコ見た◆6ZgdRxmC/6より主催者ふかひれさん、
およびエスカルさんや読んでくれてるやつらに深くお詫び申し上げます。

ほんと、ごめんなさい。

そんなわけで、本日の投下を終了します。
じゃあ、また。

22 名前:名も無きAAのようです :[]:2012/05/27(日) 00:06:53

乙!
これはこれで楽しみだ

23 名前:名も無きAAのようです :[sage]:2012/05/27(日) 00:06:58

ほほう 乙